【これで解決！】SELECT()関数の使い方

本記事はノーコードアプリ開発について全く知らなかった管理人が独学で勉強し、ここ大事！と感じた部分を記事にまとめています。

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まずはじめに

本記事はこんな人におすすめ！！

SELECT()関数の基本を学びたい人
別テーブルに存在する値を取得したい人

本記事を読んで出来るようになること

SELECT()関数を構成する基本の形
SELECT()関数が要求するリストとフィルター条件式の引数

AppSheetでアプリ開発を進める上で、避けて通れない、かつ最も強力な関数の一つがSELECT()関数です。

データの抽出や連携において、まさに「縁の下の力持ち」としてアプリの肝となる働きをします。

このSELECT()関数を使えば、本当に欲しい情報だけを、指定した条件でリストとして抽出することが可能です。

この記事では、SELECT()関数の基本的な使い方を網羅して解説していきます。

「SELECT()関数は難しい」「まだ使いこなせていない」と感じているのであれば、それはAppSheetの脱初心者を目指す上での重要なステップです。

本記事を丁寧に読み込み、この強力な機能をぜひ習得してください。SELECT()関数をマスターすることで、アプリ開発の可能性は格段に広がると思います。

それでは勉強していきましょう(^^)

SELECT()関数の基本：引数（ひきすう）を理解しよう

まずは、SELECT()関数の最も基本的な使い方、つまり引数（ひきすう）について説明していきます。

引数とは、関数に渡す情報のこと。SELECT()関数は、この引数を受け取って、その情報に基づいて結果を返してくれます。

SELECT()関数の基本形は、次のようになっています。

SELECT()関数の基本形

SELECT(from-dataset-column, select-row?[,distinct-only?])

なるほど、分からん！日本語で頼む！！

という読者のためにもっと分かりやすく書くと

SELECT()関数の基本形

SELECT(リストを取得したいカラム, フィルター条件式, [重複を除外するかどうか])

これを具体的に見ていきましょう。

第一引数：リストを取得したいカラム

ここには、結果としてリスト形式で取得したい「データの列」を指定します。

例えば、「顧客シート」の「顧客名」のリストを取得したい場合は顧客シート[顧客名] となります。

第二引数：フィルター条件式

リストから特定のデータだけを抽出するための「条件」を指定します。

この条件式は、TRUE（真）かFALSE（偽）で答えられるような形にします。

例えば、「ステータス」が「完了」であるデータのみを抽出したい場合は [ステータス] = “完了” のように記述します。

第三引数：[重複を除外するかどうか]

これはオプションの引数で、TRUEまたはFALSEを指定します。

TRUE を指定すると、取得したリストから重複する値が自動的に取り除かれ、ユニークな値だけが返されます。
FALSE を指定するか、省略した場合は、重複する値もそのままリストに含まれます。 基本的には省略しても問題ありませんが、重複のないリストが欲しい場合にTRUEを使うと便利です。

つまり、SELECT()関数で最も重要なのは、

「どの列のデータを（第一引数）」、「どのような条件で抽出するか（第二引数）」を明確にすることです。

この説明だけでは具体的なイメージが湧きにくいかもしれません。

そこで、理解を深めるためにダミーデータを用いた検証を行っていきます。

第一引数：テーブル名[カラム値]

最もシンプルなデータの抽出：テーブル名[カラム名]

SELECT()関数の基本を理解する第一歩として、まずは最もシンプルなリストの取得方法から見ていきましょう。

これは、SELECT()関数の第一引数に入れることができる構文の一つで、特定のテーブルの指定したカラムにあるすべてのデータをリストとして取得する際に使います。

その形は非常に簡単です。

テーブル名[カラム名]

テーブル名とカラム名をただ続けて記述するだけです。

この構文を使うことで、その列にあるデータがすべてリストとして返されます。フィルターをかけずに、特定の列の全データが必要な場合に利用します。

作成例

例えば、このようなデータシートがある場合

登録案件[申請者]

とした場合の返り値は、aaa@gmail.com, aaa@gmail.com, bbb@gmail.comです。

リストの概念について別の記事でまとめています

参考記事

AppSheetで重要なリストの作成方法や関数についてまとめています(^^)
【永久保存版】AppSheetで覚えておくべきList関数

第二引数：フィルター条件式

SELECT()関数の第二引数であるフィルター条件式には、入力した条件が最終的にTRUE（真）かFALSE（偽）で返ってくるような式を設定する必要があります。

つまり、「はい」か「いいえ」で答えられるような質問を AppSheetに投げかけるイメージです。

よく使われる定番の条件式は以下のパターンです。

特定の値との比較

[カラム名] = “特定の値” のように、カラムの値が特定の値と等しいか、または等しくないかを判断します。

例: [ステータス] = “完了” （ステータスが「完了」である行のみ）

リストへの含まれるか否かの判断

IN()関数などを使って、対象のカラム値が指定したリストに含まれているか否かを判断します。

例: IN(“東京”, 支店リスト[出店場所]) （「東京」が支店リスト[出店場所]に含まれているか）

簡単に言えば、「この行のこのデータは、〇〇という条件に合っていますか？」と AppSheetに尋ね、それにTRUEかFALSEで答えてもらう、と考えると分かりやすいでしょう(^^)

入力した条件式がYes/Noで取得できる記事についてまとめています

参考記事

Yes/Noを返す条件式が求められる箇所や関数についてまとめました(^^)
【永久保存版】AppSheetで覚えておくべきYes/No関数

SELECT()関数の作成例

このようなデータシートがある場合で考えてみましょう。

SELECT(登録案件[申請者], [ステータス] = “申請中“)

この場合の返り値は、aaa@gmail.com,aaa@gmail.comです。

第三引数：重複排除のオプション

SELECT()関数の第三引数である重複Yes/Noは、実は省略可能です。

この引数を省略した場合、FALSEを指定した時と同じ扱いになります。

具体的に見てみましょう。

関数の入力値	返り値
SELECT(登録案件[申請者], [ステータス] = “申請中“ ,FALSE)	aaa@gmail.com,aaa@gmail.com
SELECT(登録案件[申請者], [ステータス] = “申請中”, TRUE)	aaa@gmail.com

表のとおり、この第三引数は、返ってくるリストの値に重複を許すか許さないかを決めるためのものです。

ほとんどのケースでは、この重複Yes/Noは意識しなくても全く問題ありません。必要な場面になったら思い出してください(^^)

SELECT()関数の応用：鍵は「フィルター条件式」にあり！

SELECT()関数の基本的な使い方をマスターすると、ある重要なことに気づくはずです。

それは、この関数の応用範囲を広げる鍵が、実は「フィルター条件式」にしかないということです。

第一引数で指定する「リストを取得したいカラム」は、そのまま特定の列のデータを指定するだけ。

第三引数の重複排除オプションも、TRUEかFALSEの選択肢しかありません。

しかし、第二引数に指定するフィルター条件式は、非常に柔軟に記述できます。

ここを工夫することで、SELECT()関数は多種多様なデータの抽出要求に応える、強力なツールとなります。

様々な関数や演算子を組み合わせ、複雑な条件を構築することで、AppSheetアプリの機能性と利便性は格段に向上します。

それではダミーデータを用いて検証してみましょう！

検証用のデータ

名前、性別、年齢、血液型のカラムを用意します。

試しに入力したSELECT()関数の返り値を表にまとめました。

関数の入力値	返り値
SELECT(検証[名前], TRUE)	Aさん,Bさん,Cさん,Dさん,Eさん,Fさん,Gさん,Hさん
SELECT(検証[名前], [性別] = “男性”)	Aさん,Cさん,Eさん,Gさん
SELECT(検証[名前], OR([性別] = “男性”, [血液型] = “O”))	Aさん,Cさん,Eさん,Fさん,Gさん
SELECT(検証[名前], [年齢] >= 35)	Eさん,Fさん,Gさん,Hさん
SELECT(検証[名前], AND([年齢] >= 35, [性別] = “女性”))	Fさん,Hさん