本記事はノーコードアプリ開発について全く知らなかった管理人が独学で勉強し、ここ大事!と感じた部分を記事にまとめています。
本ブログでは新UI画面で内容をまとめています。
新旧画面への切り替えは、下図を参考に該当アイコンをクリックしてください(^^)
まずはじめに
- appsheetの基礎を学びたい人
- appsheet内の各名称とよく使う項目を知りたい人
- Dataペインのよく使うタブ項目が分かる
- UXペインのよく使うタブ項目が分かる
- Behaviorペインのよく使うタブ項目が分かる
- Automationペインのよく使うタブ項目が分かる
この記事は、総アプリ作成数100個くらいの管理人のレベルでまとめました。
appsheetのアプリ作成で高い障壁になっているのが、ページ表記が英語なことだと思います。
ページを日本語翻訳すると文字化けしたり、意味不明な日本語になったり・・
ページの日本語翻訳機能は使用せずに英語のまま使用するほうがいいです。(アプリ使用画面でも日本語訳にすると文字化けします)
初心者から中級者までの人は、本記事の内容を読めば「最低限ここだけ触れればいいんだな!」と理解できます。
それでは勉強していきましょう(^^)
デプロイとは?
まずはデプロイから説明します。
appsheetは基本利用は無料(プロトタイプ)で、自動化やセキュリティ機能をつける(デプロイ)と料金が発生します
一言で表現するなら、デプロイとはアプリを本番環境アップグレードする申請です。
特にAutomation(自動化機能)については大幅に機能が追加されるので、複数人かつリアルタイムでアプリを共有するような場合は、デプロイ申請が必須!
また、デプロイ申請にはプランが用意されています。
各プランでデプロイ後にどういったことが開放されるのかまとめました。
プラン | 特徴 | 所感 |
---|---|---|
Starter | ・基本的なアプリケーションと自動化機能 ・スプレッドシート、クラウドファイルストレージに接続 | プライベート: | ビジネス:
Core | ・高度なアプリケーションおよび自動化機能 ・スプレッドシート、クラウドファイルストレージに接続 ・アプリケーションのセキュリティ管理 ・カスタマーサポートの利用 | プライベート: | ビジネス:
Enterprise Standard | ・高度なアプリケーションおよび自動化機能 ・スプレッドシート、クラウドファイルストレージ、クラウドデータベース、API、SaaSサービスに接続 ・アプリケーションのセキュリティとチーム管理の制御 ・機械学習(AIによる学習機能) ・カスタマーサポートの利用(優先される) | プライベート: | ビジネス:
Enterprise Plus | ・高度なアプリケーションおよび自動化機能 ・スプレッドシート、クラウドファイルストレージ、クラウドデータベース、API、SaaSサービス、高度なコネクタとサービスに接続 ・強化されたアプリケーションセキュリティ、チーム管理、ガバナンス制御 ・機械学習(AIによる学習機能) ・カスタマーサポートの利用(優先される) | 同上 |
なるほど!よく分からん!!という人は下表を参考に
プラン | Starter | Core | Enterprise Standard | Enterprise Plus |
---|---|---|---|---|
料金 | 5ドル/月・人 | 10ドル/月・人 | 要相談(法人向け) | 要相談(法人向け) |
基本的なアプリケーションと自動化機能 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
標準の認証プロバイダー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
サポート | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
高度なアプリケーションおよび自動化機能 | ◯ | ◯ | ◯ | |
アプリケーションのセキュリティ管理 | ◯ | ◯ | ◯ | |
AIによる学習機能 | ◯ | ◯ | ||
高度なデータ認証・管理、ユーザー・チーム管理 | ◯ | ◯ | ||
高度なコネクタ・サービス | ◯ | ◯ | ||
ガバナンス | ◯ |
こんな感じです。
高いプランを選べば開放される機能が増えるくらいの認識で大丈夫です。
基本の確認
ペイン(pane)とは?
次にペインについて説明します。
appsheetにおける大項目
と覚えてください。画面左にある項目がそれです。
上から順に簡単に説明します(^^)
Data:入力されたデータタイプを設定し、アプリの挙動を決める最も重要なペイン
UX:Viewやアイコン、フォーマットなどアプリの見栄え(画面表示)を決めるペイン
Actions:アプリで実装したいことは、ここで全て解決できるペイン
Automation:自動化機能を作成できるペイン(ただしデプロイ状態にすることがほぼ必須)
これら4つのペインだけ覚えておけば、アプリ開発は十分に行えます(^^)
タブ(Tab)とは?
続いてタブについて説明します。
appsheetにおける中項目
と覚えてください。
赤枠で囲まれた部分や、歯車アイコンをクリックすると出現する青枠などがそれに該当します。
ただ、新UIの開発画面になってからは、このペインに紐ついている機能で何ができるのか?を覚えるようにしたほうがいいです。
データ(Data)ペイン
入力されたデータを文字列、数字、URLや画像など、そのデータをどういった形式で表示するかを決める
データベース(登録されている情報)から、データを抽出するフィルター条件を決める
この2つを覚えておいてください(^^)
以降の説明は、旧UIの開発画面にあった名称で説明をしていきます。
テーブル(table)タブ
テーブルは、スプレッドシートなどのシートデータをappsheetに取り込むときに使うタブで、アプリ作成時の最初に設定をします。
+ボタンからアプリに取り込みたいシートを追加することが可能です。
カラム(column)タブ
テーブルタブからデータを取り込んだあとに触ることになるタブで、以下のような設定を実装することが可能です。
- データタイプの変更(数字、文字列などデータを扱う形式を選択)
- 入力値制限(Valid if):設定した条件以外の入力値をはじくことが可能
- 初期値の設定(App formula,Initial value):設定した初期値を送ることが可能
- 編集可否(Editable):登録データの編集の可否
Dataペインで出来ることは色々あります
データを登録するときに意図しない入力値をはじく設定についてまとめています(^^)
【簡単設定!】入力制限を設定する方法
登録するデータを全角のみ・半角のみなど入力を制限する方法が知りたい人はこちら(^^)
【これで解決!】半角英数字のみ入力を許す方法
データを編集する権限を付与する方法をまとめています(^^)
【TIPS】Editableに関数を入れたときの挙動
アプリを作成している途中でカラムを追加(スプレッドシートの列構成を変更)した場合は、リジェネレイトをすることが必要です。
スライス(slice)タブ
スライスは、登録されているデータにフィルター条件を設定するタブです。
- 自分が入力したデータのみを表示させたい
- 所属する部署、会社などでフィルターをかけたい
- 先月や今月などある特定の期間のみデータとして表示させたい
こういったニーズを叶えるのがスライス設定です(^^)
スライス設定に関しては、別の記事で詳しく解説しています
汎用性の高いスライス設定を覚えたい人はこの記事がおすすめです(^^)
【永久保存版】汎用性の高いスライスの設定5選
先週や来月など、週や月単位でデータを抽出したい人の悩みを解決できます(^^)
【これで解決!】eoweek()関数とeomonth()関数の使い方
UXペイン
アプリ画面の見栄えを決める
これで覚えておいてください(^^)
アプリユーザーのUIやUXを高めることができるため、ここも重要なペインです。
ビュー(view)タブ
- View type:アプリ画面に適したViewの設定をする
- Sort by:データを昇順、降順に並べる
- Group by:データタイプrefやenumと相性がいいグルーピング機能
- Display name:アプリ画面に表示させる名前を決める
- Show if:条件を満たす人にしか画面を見させないようにすることが可能
UXに関する記事をいくつかご紹介します
登録されたデータの個数をカウントする設定方法です。特に進捗管理をするようなアプリで実装するといいです(^^)
【コピペでOK】データ件数を動的にカウントする方法
一緒に働くメンバーの所在地や今後の予定といった情報をappsheetで作る方法です(^^)
【アプリ開発】行き先掲示板のアプリを作る方法
モバイル端末ではなくパソコンでアプリを使用するときに、知っておいたほうがいいDesktop modeについて解説した記事です(^^)
【コピペでOK】データ件数を動的にカウントする方法
フォーマットルール(format rule)タブ
登録されたデータが条件を満たす場合、カラム値を太字にしたり、色を付けたりすることが可能
オプション(option)タブ
もともとはUXペインにありましたが、今はSettingsペインに移動しています。
よく使うペインは4つなのでは?というツッコミが聞こえてきそうですが・・笑
私が使う設定として、GeneralのStarting viewでアプリを立ち上げた時の初期画面を設定することが可能です。他にもできることとして、
- モバイル画面を下にフリックするとデータの同期
- アプリの文字フォントの変更
- 各種View typeの個別設定
上記のような設定にすることが出来ますが、2024年5月現在では、個々のアプリで設定をしなくてはならないため、Starting viewとDesktop mode以外は気にしなくていいです。
ローカライズ(localize)タブ
アプリ使用時の英語表記を日本語表記に変更することが可能
ただし、これも2024年5月現在、個々のアプリで設定をしなくてはならないため、そこまで気にしなくていいと思います。
Actionsペイン
アプリで実装したい機能を作成する
こう覚えてください(^^)
ここで設定が出来ない場合は、appsheetでの運用管理は難しいと思っても大丈夫です。
一方、登録データのログを一日の終わりに取るなどの決まった動作の場合は、Automationが適しています。
アクション(action)タブ
アプリに実装するアクションボタンを作成するタブで、以下のような動作をアプリに付与することが可能です。
- データをCSVエクスポートする(またはCSVインポートする)
- アプリ内の別のViewや全く別のアプリにViewを移す
- 参照テーブルとは別のテーブルにデータを送る
- カラム値に設定した入力値を送る
- email送信画面の立ち上げやwebsiteのリンクを貼る
このアクションボタンを上手に使うことで満足度の高いアプリを作成することが可能です
appsheetに用意されている「Deeplink関数」を使うことで、かゆいところに手が届くアプリを作成することができます(^^)
【脱初心者!】Deeplink関数の使い方
Table Viewで表示されているデータをCSVエクスポートするときの方法です(^^)
【確認が必要!】CSVエクスポートの注意点
承認フローアプリで提案内容を差し戻しするときに便利な設定について解説しています(^^)
【超おすすめ!】承認アプリの差戻しメールの設定方法
日記アプリを例にして、アプリに登録された登録地の天気予報を閲覧することが出来る設定についてまとめています(^^)
【活用事例】appsheetで日記アプリを作ってみた
Automationペイン
アプリに自動化して欲しい機能を実装する
こう覚えてください(^^)
冒頭でもまとめましたが、デプロイをしていないとほとんどの機能は実装することが出来ません・・
Botという1つの箱の中にEvent,Processの2つのアイテムが入っていると言えばイメージが付きやすいでしょうか?
ボット(bot)タブ
作成するAutomation機能の名前を付けるタブ
Automationを複数アプリに実装する場合は、名前だけでそれが何か分かるようにしておくとGood!
イベント(event)タブ
Event typeは3つあり、データチェンジとスケジュールとチャットがあります。
データチェンジ型は、対象のテーブルの情報に変化があった場合に発火するAutomationです。
Event Type | 発火条件 |
---|---|
Adds | 対象のテーブルに新規にデータが追加された時 |
Deletes | 対象のテーブルのデータが削除された時 |
Updates | 対象のテーブルのデータが更新された時 |
ただし、デプロイしていないとアプリ作成者にしかメールや通知が出来ないなどの制約あり
Automationの発火条件をより制限させたい人におすすめです
「対象のテーブルのデータが更新されたとき」ではなく、「対象のカラムが編集前後で更新されたら」にしたい人の悩みを解決できます(^^)
【簡単設定!】[_thisrow_before]の使い方
スケジュール型は、ある決まった時刻になったら発火するAutomationです。
Schedule | 発火条件 |
---|---|
Hourly | 設定した時間周期になったら |
Daily | 設定した時刻になったら(毎日) |
Weekly | 設定した曜日(複数可)の時刻になったら |
Monthly | 設定した時刻になったら(月1回) |
Monthly(by week) | 設定した週次の曜日(複数可)になったら |
ただし、デプロイしていないとスケジュール型のイベントは発火しません
スケジュール型のAutomationについてまとめた記事です
アプリで設定した期日の数日前にリマインドメールを送信する方法を知りたい人に役立つ記事です(^^)
【簡単設定!】Automationで期限が差し迫った案件をメールで知らせる方法
チャット型は、google chatなどの別のツールでコマンドを入力し、それを感知してあらかじめ登録してたコマンドを発火させるAutomationです。
ただし、デプロイしていないとチャット型のイベントは使用できません
プロセス(process)タブ
作成したイベントに対して、どういったアクションを起こすのかを決めるタブ
汎用性の高いものは以下の2つです。
Step | 実行内容 |
---|---|
Run a task | 次に作成するSettingsの内容を実行する |
Run a data action | 作成したactionを実行する |
続いて、開発画面について説明します。画面右側にあるSettingsは、
Automationで実行したい自動化のタスクを設定する
ものと覚えておきましょう。私がよく使うものは以下の3つです(^^)
Setting | 出来ること |
---|---|
Send an email | To、CC、BCC:メールを送信したい送り先の設定 Email Body:送信メールの内容を作成 From Display:メール送信者の表示(会社名や部署名など) Attachment Template:メール本文に添付するファイル(PDF,Excelなど) →この設定でメールにファイルを添付して自動送信も可能です |
Send a notification | モバイル端末にアプリをインストールしている場合、通知が届く |
Create a new file | 所定のファイル形式でデータを保存 |
Automationによる業務自動化の例をまとめています
appsheetで作る見積書作成のアプリの作り方をまとめています(^^)
【ガチ実践】1年間appsheetを勉強 → 見積書作成アプリを作ってみた(^^)
業務の進捗が芳しくない案件のみを自動メールで知らせる仕組みについて解説しています(^^)
【TIPS】Start 〜 End 構文の使い方
まとめ
今回は、デプロイ申請とappsheetで頻繁に使う項目についてまとめました。
特にデプロイとAutomationは結びつきがかなり強いです。
アプリを開発する主目的は業務効率の改善(自動化)だと思いますので、そこを叶えるにはデプロイ申請は必須になります。
記事内容について何かありましたらページ下にあるコメント欄からコメントをお願いします。
わかりにくかった部分や間違った情報などご指摘いただけると嬉しいです!
勉強お疲れさまでした(^^)
アプリを開発した経験が少ない人向けにアプリ開発のコツをまとめています
管理人がアプリ開発をするときに注意しているポイントを書いています(^^)
【手順を公開】appsheetでアプリ開発を行うコツ4つを解説